風景画集を眺めるかのごとく
数年前、私は「プログラミング入門書」と銘打たれた本を手に取りました。ていねいに基礎を固める入門書という副題も頼もしい。これならイケる!と思ったのです。
……が、結果は大惨敗。ページをめくるたびに「???」が頭に浮かび、もはや美しい風景画集をパラパラ眺めているのと大差なし。異国の情景を思い浮かべるがごとく遠い目で文字(いや、もはや文字ではなく幾何的な造形物として)を追っていました。違うのは、風景画は爽やかな気分になれるのに、この本は爽やかさゼロ。むしろ胃が痛くなりました。結局最後まで読み進めて、そっと閉じました。読了感?そんなものはありませんでした。
数年後、ふと手にしたら「あれ、分かる?」
そんな黒歴史の本を、先日たまたま再び手に取りました。完全に気まぐれです。ペラペラ……すると、あれ、意外と読める。
「変数ってこういう意味だったのか」「関数の使い方、そうだよね」――驚くほど自然に腑に落ちる感覚がありました。当時の自分が「ここで躓いていたのか」と推察できるくらい。
まるで、過去の自分が残した暗号を今の自分が解読しているような、不思議な読書体験でした。
やっぱり手を動かすのが一番
冷静に考えると、この変化の理由はシンプルでした。Pythonでちょこちょこコードを書いてきたからです。
「print文でHello Worldが出た!」
「四則演算できた!」
そんな小さな成功体験の積み重ねが、気づけば大きな理解の土台になっていました。
本に書いてあることを実際に手で確かめてきた経験が、知識を「知っている」から「わかる」に変えてくれていたのです。
初心者仲間へのメッセージ
もし今、プログラミングの入門書を前にして頭を抱えている方がいたら伝えたいです。
「昔できなくても、今やればできるかもしれない」と。
大事なのは、ちょっとずつでも手を動かすこと。コードを書くという経験そのものが、未来のあなたを助けてくれます。理解できないまま本を閉じても大丈夫。また数年後に読み返したら「あれ、わかる!」って日がきっときます。
まとめ:コードは裏切らない
プログラミング初心者にとって、入門書は「呪文書」に見えることも多いです。でも手を動かしてコードを書き続ければ、その呪文は少しずつ読めるようになります。
私自身、「風景画集」から「理解できる本」に変わる経験をして実感しました。やっぱり何でもいいからコードを書くことが大事なんだと。
これからも小さな成功を積み重ねながら、地道に一歩ずつ進んでいきたいです。
プログラミングは、やればやるほど「未来の自分が助かる」最高の自己投資だと思います。